香りを持つ植物(芳香植物)の香りの成分をギュッと濃縮したものが精油であるとすると、そもそもなぜ植物は香りの成分を作り出すのでしょうか?
植物は私たち動物のように自由に動き回ることはできません。外敵から襲われそうになっても逃げることもできず、自分の意志で栄養分を摂ったり子孫を残したりすることもできず・・・。
そんな中でも自らの種を存続させるために、長い長い年月をかけて生み出されたのが、この香りの成分(芳香分子)でした。
ミツバチなどを引き寄せる甘い香りを出して受粉を助けてもらったり、逆に草食動物や昆虫、細菌、真菌、微生物などが嫌がる成分を出して身を守ったり、ネバネバする香りの成分によって自らが負った傷の治療を早めたり脱水を防止したり。
そう考えると、芳香分子は植物にとって命の源のようなものです。
私たちはそんな植物から命の源を少しおすそ分けしてもらうことで、菌や微生物から身を守ったり、傷の治癒を早めたり、良い香りで心身をリラックス・リフレッシュさせてもらったりと、様々な恩恵を受けることができるのです。